アマチュア三段。中飛車を中心に、居飛車穴熊と多く対局してきました。
穴熊退治の方法を知らないと、居飛車穴熊のカモにされ続けるかもしれません…
ご安心ください。
ご紹介する作戦やコツを知っていれば、自信を持って居飛車穴熊と戦えるようになりますよ!
過去の僕が苦しめられたことを踏まえ、級位者の時に知りたかった内容をまとめました。
まずこの記事の使い方を説明。
次に中飛車・三間・四間・向かい飛車それぞれの居飛車穴熊対策を、2つずつ紹介。
更に振り飛車の陣形と、穴熊対策を習得する2ステップを解説。
居飛車穴熊と対局するコツ3つと、おススメ棋書にも触れました。
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目次
この記事の対策内容
記事では居飛車穴熊の対策を、概要だけサクッとお伝えします。
指してみたい戦型を、後でご紹介する本とステップで学んで下さいね!
またお伝えしたように、振る筋それぞれの戦型を順番に見ていきます。
あなたに必要ない部分は、とばしてOK。
それと終盤の崩し方については、触れていません。
対振り飛車穴熊の記事で解説しており、同じ手筋を使えます。
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振り飛車穴熊に悩む級位者さんへ!対策の囲いと崩し方、コツまで解説
対振り飛車穴熊の囲いが分からない… 振り飛車穴熊の急所は? 対局のコツは? おススメの本を教えて! ゆーきゃん振り飛車穴熊に悩む級位者さんの、こんな疑問を解決できる記事を書きました。 アマチュア三段。 ...
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中飛車の対策
中飛車は振り飛車の中で最も敵玉に自分の飛車が近く、攻めやすいのがメリット。
一方、左金を守りに使うのが難しいのがデメリットです。
居飛車穴熊に堅さ負けしたくない方は、違う筋に飛車を振るのもありかと。
中飛車の居飛車穴熊対策は、以下の2つ。
- ゴキゲン中飛車
- ツノ銀中飛車
なおここからは、☗5六銀など符号を使います。
符号を復習したい方は、将棋講座ドットコムさんのページが分かりやすいかと。
ゴキゲン中飛車
☗5五歩型が気持ちいいゴキゲン中飛車は、そもそも居飛車穴熊対策として生まれました。
☗5六銀は攻めやすい好形で、☗9六歩で☖9五角を防ぐのもポイント。
図から☗4五歩や、場合によっては☗6六歩~☗6五歩のような手もあります。
5六銀型は、相手の色々な形に対応しやすい印象です。
ツノ銀中飛車
ツノ銀は「ノーマル」と呼ばれる、角道を閉じた中飛車です。
高段者やプロでは居飛車が指しやすいとされていますが、級位者なら互角だと思います。
穴熊を組みたくない方におススメで、ポイントは以下。
まず角道を閉じて6七銀・7八金型の中飛車へ。☖1二歩を見て☗6五歩と角道を開けます。
穴熊だと角道を閉じるので、飛車先を交換して5九に飛車を引きます。
☖6九銀を避ける中飛車の定位置ですね。
それから☗6六角~☗7七桂~☗8九飛として、8筋の逆襲を狙いましょう。
以上が中飛車ですが、他の振り飛車を指さない方は陣形の解説に進んで下さい。
四間飛車の対策
四間飛車は、攻守にバランス良いのが特徴。
対穴熊では、以下のどちらかで攻めを意識するのが大切です。
- 6六銀型美濃囲い
- 藤井システム
6六銀型美濃囲い
1つ目の対策は、6六銀型を作ってから囲う方法。
通常の6七銀型だと、仕掛けられない為です。
「とりあえず囲いを銀冠まで進展させるか」
とか漫然と指しているうちに、十分な体制になった居飛車から仕掛けられ負けた経験が僕も多々あります。
7八銀型で☖1二香を見て☗6五歩と角道を開けるのがポイント。
相手は角交換をし辛く☖4四歩が多いはず。
その後は☗6六銀として高美濃に囲い、☗5五歩から攻めます。
6六銀型だと、6七銀型より攻めやすいです。
藤井システム
そもそも穴熊を組ませたくない!
というあなたは、藤井システムもあり。
ほぼ居玉で角道を開け、☗3七桂を先に跳ねるのがポイント。
☖1二香を見たら☗2五桂~☗4五歩と角筋を活かし、襲いかかります。
堅い穴熊を相手にしない一方で、自玉も薄いので相手に駒を渡すと守るのも大変。
藤井システムは級位者さんだと、指しこなすのが難しい印象です。
以上が四間飛車で、三間と向かい飛車に興味がない方はその次へどうぞ。
三間飛車の対策
三間飛車では、急戦か押さえ込みを狙えます。
- トマホーク
- 石田流
僕は居飛車を持って、どちらも受け辛い印象。
勝ちやすい程でなくても、振り飛車としては狙い筋を成功しやすいかも。
トマホーク
急戦好みの方は、桂馬を早めに跳ねて端から攻めるトマホークがおススメです。
ただし第一歩は銀からで、6七〜5六~4五へと繰り出します。
玉頭銀と呼ばれる形で、居飛車としてはすごく嫌。精神的なプレッシャーもかかるはず。
☗8四飛で受けられますが、桂を1七~2五のルートで使うのがポイント。
☖2四歩で歩のエジキのように見えますが。
☗1三桂成から攻めると居飛車は歩切れで、受けが簡単ではありません。
図のようになり定跡では互角。
しかし居飛車の陣形が弱体化、8筋に桂馬や香車を打つなど手を探しやすいでしょう。
石田流
手厚く抑え込みたい方は、石田流をどうぞ。
オープニングではそうですが、相手が持久戦を目指すと図のような形から組み替えやすくなります。
☗7五歩〜☗5九角〜☗7六飛〜☗7七桂と指して石田流の形を完成。
その後は☗4八角〜☗5六歩〜☗6五歩と相手の飛車を角筋に入れ、押さえ込みを目指します。
一例は図のような進行。
ここから☗6四歩☖同飛☗6五銀☖8四飛☗7四歩。
☖8七飛に、☗7三歩成☖同飛とぶつけられたら飛車を交換せず☗7四銀がポイント。
飛車が交換になると、より堅い穴熊が有利になりやすいです。
以下は☖7一飛に☗7三歩と打って相手の飛車を封じ込む感じ。
飛車を狙われるので、こちらも居飛車としては精神的に嫌ですよ。
向かい飛車の対策
最後は向かい飛車で、相手の形によって使い分けます。
- vs8五歩型
- vs8四歩型
向かい飛車も仕掛けやすく、僕はこちらも居飛車を持ってとても苦戦しました。
vs8五歩型
相手が飛車先を伸ばしていると、向かい飛車から攻めやすいです。
飛車を振って玉を囲う間に相手が穴熊と分かるので、早めの☗7八金がポイント。
片美濃+7八金型だと自陣に飛車を打ち込まれるスキがなく、☗8四歩☖同歩☗同飛と飛車交換を挑めます。
飛車を持ち合うと陣形の差で不利な居飛車は☖8五歩で交換を拒否しますが、飛車を引いた後は☗9六歩~☗9七桂と桂を活用。
☖7三桂の受けにも、☗7四歩から桂頭を絡めて攻める感じ。
相手の8五歩型を利用しており、居飛車の対処も簡単ではありません。
vs84歩型
しかし相手が飛車先を伸ばしていないと、今の仕掛けは成立しません。
居飛車が8四歩型での工夫が、飛車を振る前の☗7五歩。
ここで☖4二玉のような手なら☗7八飛〜☗7六飛で石田流の好形に組めます。
戻って☗7五歩に居飛車は石田流を許さない☖8五歩が自然。
飛車先を☗7七角と受けた後は、☗8八飛〜☗7八金としましょう。
それから相手が備える前に、すぐ☗8六歩と仕掛けるのがポイント。
☗8六歩☖同歩☗同飛に☖同飛の飛車交換は、図が一例で敵陣に飛車を打ちやすいです。
☖8五歩で飛車交換を拒否したら、☗8八飛の後に☗7六銀から飛車先を逆襲する狙い。
メリケン向かい飛車と呼ばれます。
ちなみに名前は発案者のアマ強豪、横山さんが付けたそうです。
複数の筋に飛車を振れると戦いやすい
振り飛車好きなら、複数の筋を学ぶのがおススメ。
今回の向かい飛車狙いから石田流の含みのように、場合によっては違う筋で戦うことになるからです。
とはいえアレもコレもと一気に手を広げると、混同して身に付きにくくなります。
そこで少しずつレパートリーを増やすと、混乱せず効率が良いですよ。
向かい飛車をメインに、メリケン向かい飛車の変化で出た時だけ石田流という感じで。
穴熊対策の陣形
居飛車が穴熊を組んだ時の自陣は、美濃か穴熊がよいかと。
それぞれのポイントをお伝えしますね。
美濃
ご説明したような狙いで指せば、美濃囲いでもいい勝負になります。
どこを攻めるか明確ならモタつかず、穴熊の堅さが活きる展開は減るでしょう。
場合によっては、高美濃や銀冠に進展させるのもあり。
注意点としては、大駒を交換しないこと。
捌いて敵陣に飛車角を打ち合うと、堅さ負けしてしまいます。
穴熊が完成する前に攻めるか、抑え込みを狙いましょう。
穴熊
相手が穴熊ならこちらも、という考え方もあり。
プロの実践例も多く、棋書もたくさん出ています。
同じ形で堅さ負けしないので、いい勝負になりやすい。
僕も実は美濃で戦うより、相穴熊の方が勝率が高いです。
補足:級位者に穴熊はおススメしない
とはいえ級位者さんは、穴熊を使いすぎると上達しにくいと思います。
なぜなら速度計算が難しく、学び辛いからです。
僕が穴熊で負けた将棋を振り返ると、敗着が中盤にあったりするんですよね。
級位者さんだと、気づきにくいはず。
初段になる前から穴熊ばかり指していると、伸び悩む方もしばしば見ます…
基本的には美濃、相手が穴熊に限って穴熊に囲うとよいかと。
居飛車穴熊対策を習得する2ステップ
定跡書の内容を実戦で使えるようになるには、以下の手順がおススメ。
- 本の大枠を理解する
- 間違えたらピンポイントで復習する
僕も級位者の頃は何も考えずに読み、頭に入れられないことが多かったです…
同じ失敗はしないで下さいね!
定跡学習について更に詳しくは、下の記事で解説しました。
-
初級者もできる!実戦に役立つ将棋定跡の選び方と覚え方
ゆーきゃんアマチュア三段。40冊以上の定跡書を読み試行錯誤する中で、実戦に活かせる覚え方が分かりました。 初級者さん 定跡を覚えられない。 定跡はどう学び始めればいいの? 定跡書はどう読めばいいの? ...
続きを見る
1.本の大枠を理解する
定跡書を読む際は、まずはおおまかな流れを掴むようにしましょう。
なぜなら細かな変化を、一度に全て覚えるのは無理だからです。
- 四間飛車:6六銀型→囲い→仕掛ける
- トマホーク:玉頭銀→端から桂を跳ねる
始めて読む本は上記のように、手の流れを理解すれば充分です。
2.間違えたらピンポイントで復習する
定跡書の内容が最も頭に入る瞬間は、実戦で間違えた直後。
対局中の自分の考えと定跡を比較すると、理解が一気に深まります。
僕はこの方法を取り入れてから、色々な定跡が少しずつ頭の中で整理されました。
失敗した直後にその場所だけ振り返りましょう。
居飛車穴熊対策のコツ3つ
居飛車穴熊の対策をする際のコツは以下。
- 目的を持つ
- 間違えて当たり前
- 冷静になる
全て実践できれば、苦手意識を持たず力を出せるようになりますよ!
目的を持つ
対局中は、常に方針や狙いのある手を心掛けて下さい。
漫然と囲ったり手待ちをすると、堅い相手に充分な攻めの態勢を作られてしまいます。
なんとなく指しているうちに敵陣がどんどんよくなり、駒がぶつかった時は既に勝ちにくい。
そんな残念な負け方が、穴熊相手は僕もしばしばあります…
目的を持って指しましょう。
間違えて当たり前
定跡書で読んでも、たくさん失敗すると織り込んでいて下さい。
なぜなら穴熊は高度な戦法で、変化が多いからです。
学んだ内容を混同して大失敗、中盤で破られてボロボロとかしょっちゅう 苦笑
ひどい負けを繰り返して、定跡の理解が深まっていきますよ!
冷静になる
穴熊を相手に落ち着いていないと、負けを早めることが多いです。
焦ったりイライラすると、悪手を指してしまう為。
穴熊好きな人が、自陣に駒を打ちつける。
「攻め合えや!」と勝手にイライラし、自滅した苦い思い出が僕もあります...
平常心是道。
穴熊対策の棋書
記事でご紹介した穴熊対策を学べる本は以下で、Kindle Unlimitedなら全て読み放題。
- 所司和晴『 中飛車定跡コレクション404』
- 鈴木大介『四間飛車で居飛車穴熊退治』※6六銀型
- 宮本広志『四間飛車VS居飛車穴熊』※藤井システム
- 所司和晴『 三間飛車定跡コレクション414』
- 安用寺孝功『向かい飛車 その狙いと対策』
穴熊以外にも、課題と感じる内容の棋書を見つけやすいですよ!
定跡などをガッツリ学ぶにも、サクッと調べるにも僕は重宝しています。
本を探す時間と買うお金が、だいぶ少なくなりましたね。
ただし穴熊は手数も多く内容も複雑で、級位者さんには難しい本が多いです。
盤駒を用意して、並べながらゆっくり読む方法もあるかと。
1冊だけ欲しい方は、こちらから。
激指 定跡道場5
「穴熊だけでなく、自分が指す戦型の定跡は全体的にしっかり学びたい。」
そんなあなたには、有料PCソフト「激指 定跡道場5」がおススメです。
数十冊分の定跡が解説されている上に、プロレベルのAIと対局できますよ!
振り飛車10部のうちまるまる1部が、居飛車穴熊対四間飛車。
穴熊は居飛車の有力作戦なので、中飛車や三間飛車でもいくつかの章で解説されています。
気になった定跡をすぐ調べられるので、序盤で崩されてボロ負けするのが減りますよ!
次から次へと、定跡書を買わなくてよくなります。
僕は監修の所司和晴七段の著書を読みましたが、わかりやすく実戦に活かせる実感がありましたよ。
そしてプロレベルのAIとの駒落ち対局や解析を通して、指し手が良くなるのを実感し勝率が上がるでしょう。
導入した級位者さんが、周りの人より早く上達するのをしばしば見ます。
定跡を学び本気で強くなりたい方には、イチオシです。
まとめ
- 各筋ごと穴熊対策
- 中飛車:ゴキゲン中飛車orツノ銀中飛車
- 四間飛車:6六銀型美濃囲いor藤井システム
- 三間飛車:トマホークor石田流
- 向かい飛車:7八金型orメリケン向かい飛車
- 振り飛車の囲いは、美濃か穴熊がおススメ
- 定跡学習は大枠を理解し、実戦で間違えたら振り返ろう
- 対穴熊は間違えて当たり前を前提に、目的を持って冷静に指すのがコツ
- Kindle Unlimitedや激指 定跡道場5で居飛車穴熊対策が学べる
記事の戦型を学び、実戦で試しましょう。
あなたは居飛車穴熊への勝率が上がり、恐れなくなりますよ!
行動するのが大切ですので、穴熊を組まれたらすぐ試してみてくださいね。
「穴熊を含め自分が指す戦型はしっかり学び、本気で強くなりたい!」
というあなたは、激指定跡道場5を使って効率的に上達する方法もチェックしましょう。
応援しています。頑張ってください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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