定跡を簡単に学ぶ

【級位者へおススメ】角換わり右玉には、地下鉄飛車で対抗しよう!

2021年12月7日

ゆーきゃん
アマチュア三段。

右玉をされて困っている級位者さんの疑問を解決できる記事を書きました。

対策を知らないままだと、角換わりで右玉に負け続けるかもしれません…

ご安心ください。

ご紹介する地下鉄飛車ができると、勝率が上がりますよ!

なぜなら対策の概要を知っているだけで、ムダな手や非効率な駒組みを指さなくなるからです。

まず角換わり右玉の特徴駒組みを紹介。

次に地下鉄飛車で対抗する手順その他の右玉対策を解説。

右玉と戦う注意点と、更に学ぶ方法にも触れました。

対策を今すぐ知りたい!というあなたは地下鉄飛車の説明へどうぞ。

角換わり右玉の特徴3つ

バランス型

角換わりは大きく棒銀・早繰り銀・腰掛け銀の3つに分かれます。

比較的マイナーなのが右玉ですが、以前より使う人が増えている印象です。

特徴は以下の3つ。

  • 後手番で使う
  • 変化が多い
  • バランス型

他の角換わりも学びたい方は、下記の記事をどうぞ。

後手番で使う

右玉は一般的に、後手が使います。

なぜなら積極的に動かず、カウンターを仕掛ける流れになりやすいからです。

先手がしっかり主導権を握れないと、千日手(引き分け)になることもありますね。

基本的には、後手の戦法です。

後手は千日手もあり

プロや有段者だと、後手は千日手で十分とする考えがあります。

千日手になれば先後が入れ替わり、次は先手で指せる為です。

技術があると先手の方が、後手より1手早いので攻めやすくなります。

膠着した局面を打開するのは先手のお仕事。

変化が多い

右玉は、先手も後手も変化が多いです。

手が広い局面が多々あり、有力な順ができやすいからだと思います。

記事を書くにあたり数冊の定跡書を読みましたが、長い変化もたくさんありましたね。

相手も自分も、分岐が多いです。

バランス型

堅さではなくバランスを取っているのが、右玉です。

玉飛が接近している

「玉飛接近は避けよ」という格言も無視。

追いかけてスルスル逃げられ、駒が足りなくなった失敗が僕もあります...

一方で陣形が破れた所から駒得し、一気に勝勢になることもありますね!

形が広い長所でもあり、薄い短所とも言えます。

角換わり右玉の手順3ステップ

角換わり右玉の手順

角換わり右玉は、以下の流れになります。

  1. 角換わり基本図まで
  2. 腰掛け銀にもいける手
  3. 飛車引き&玉上がり

この記事は対策側の視点なので、右玉は後手側(盤の奥)でご説明しますね。

ここからは、☗7六歩などの符号を使います。

あいまいな方は、先に将棋講座ドットコムさんのページを見るとよいかと。

1.角換わり基本図

まずは角換わりのオープニング。

☗7六歩☖8四歩☗2六歩☖8五歩☗7七角と後手が飛車先を決め角で受けます。

後手が飛車先を決める

この後は後手から角交換して、右銀を真っ直ぐ立つ同形を作ります。

同型から3つの形へ変化

詳しい手順は、先ほどご紹介した角換わり棒銀の記事を見てください。

ここから銀の使い方で分岐していきます。

銀を飛車のラインへ

2七銀~2六銀なら棒銀、という感じですね。

2.腰掛け銀にもいける手

ここから後手は、腰掛け銀でも右玉でも必要な手を指します。

具体的には6四歩・6三銀・7四歩・7三桂・5二金。

最初は腰掛け銀の含みもある手

手順は上記の流れですが、前後します。

実戦では6三銀の後にすぐ5四銀と上がる人は、だいたい腰掛け銀。

上がらなければ、8割ぐらいは右玉のイメージです。

腰掛け銀の一例は、後でご紹介しますね。

3.飛車引き&玉上がり

態度を表さない手が終わったら、☖8一飛〜☖6二玉で右玉が完成です。

玉飛が接近している

相手の指し手はこの後、端歩や4四銀・1人千日手(7二玉〜☖6二玉とか)など。

こちらの様子を伺う手を指し、チャンスと見たら攻めてくるでしょう。

右玉には地下鉄飛車がおススメ

地下鉄飛車

地下鉄飛車

右玉対策は、地下鉄飛車で始めると良いと思います。

後でご紹介するように有力な対策はいくつかありますが、最も変化が少ない印象です。

手順が長く最初はちょっと大変ですが、頑張って流れを覚えましょう!

流れを区切ると、以下の5ステップ。

  1. 兜矢倉
  2. 右辺を整える
  3. 金上がり〜☗5六歩
  4. 銀引き〜桂跳ね
  5. 香上がり~飛車回り

相手の指し手も、一例をご紹介しますね。

なお地下鉄という名前は、飛車が一番下のラインで大移動することからつきました。

1.兜矢倉

まずは玉形を整えます。

ここから分岐

同型基本図から4六歩6四歩4七銀(左図)6三銀6八玉5二金5八金。

相手の様子を見る

右図は兜矢倉(かぶとやぐら)と呼ばれ、角換わりなど相居飛車でよく使われる優秀な形です。

銀を4七で止めるのがポイント。

後手が☖5四銀と出てから5六銀とすれば、相腰掛け銀となります。

先手も後手も同じ形

図のような形が一例ですね。

奥深くて楽しいので、腰掛け銀もぜひレパートリーに加えてください!

2.右辺を整える 

続いて☖7四歩3六歩(左図)7三桂3七桂8一飛2九飛。

自陣も角の打ち込みに強くする

桂馬を跳ね、飛車を引きます。

最近の腰掛け銀でもよく見る形ですが、相手から角を打ち込まれない好形です。

3.金上がり〜☗5六歩

更に6二玉6六歩7二玉6七金左(左図)6二金5六歩。

普通と違う金上がり

6七へ左金を上がるのが、地下鉄飛車の独特な形です。

5八に金がいることで、終盤の守りに利いてきます。

最初は違和感がありますが、耐えましょう!

数局指すと、慣れるはず。

その後の☗5六歩は5五桂のような手を消せるので、金上がりとセットで指して下さい。

4.銀引き〜桂跳ね

以下☖9四歩9六歩(左図)5四歩7八玉4四銀8八銀。

銀を引くのも独特

端歩のタイミングは人それぞれなので、突かれたら受けましょう。

☗8八銀と引いて、桂を跳ねられるよう7七を空けます。

6八だと駒が偏るので、銀を引くのは左。

地下鉄飛車は、堅く囲うのではなくバランス型です。

3五歩同歩同銀3六歩4四銀7七桂。

地下鉄開通の準備

後は☗7七桂と跳ねれば、地下鉄の開通が近づきます。

この辺りで気になる変化があると思うので、以下3点を捕捉しておきますね。

  • 自分は飛車先を交換しない
  • 相手に飛車先を交換されるのは歓迎
  • 3筋を交換されたら収める

気になる部分だけ読めばOKです。

自分は飛車先を交換しない

2筋を交換するのはセオリーだが

地下鉄飛車を目指す時は、2筋を交換しないのがおススメ。

なぜなら反発されるからです。

例えば☖4四銀の時に、☗2四歩と仕掛けてみましょう。

飛車先を交換する

☖同歩☗同飛の瞬間が、右玉から反撃されやすい局面。


一番危ない瞬間

例えば、☖3五歩☗同歩☖1四角があります。

2四飛の瞬間が怖い

次の☖3六歩を防ぐのが、簡単ではありません。

2四飛の形で、相手からの攻め筋が複数あります。

地下鉄飛車に慣れるまでは、飛車先を交換したい気持ちを抑えると無難です。

相手に飛車先を交換されるのは歓迎

飛車先交換が相手の権利

銀を引くといつでも、相手から☖8六歩☗同歩☖同飛と歩を交換される手があります。

相手は好きなタイミングで飛車先を切れる

その場合は、☗8七銀☖8一飛☗8六歩としましょう。

相手の手を逆用、好形になる

壁銀が解消され、上部が厚くなり得をしました。

歩の交換は、ありがたいです。

3筋を交換されたら収める

歩を交換される

☗8八銀~☗7七桂の間に、説明したように☖4四銀~☖3五歩と相手から歩を交換されることがあるでしょう。

☖3五歩の瞬間に☗4五歩と反発したいと思ったあなたは、センスがよいです。

反発する手

相手の言いなりならない、良い発想。

しかし右玉の場合は、損をしてしまいます。

☖3五歩☗4五歩以下、☖3六歩☗同銀☖5三銀。

実はよくならない

銀を引いた相手は意外と形がよく、こちらは銀と桂が使いにくくなってしまします…

☖3五歩には☗同歩☖同銀で交換を許し、大人しく☗3六歩と受けましょう。

大人しく収めるのが正解

5.香上がり~飛車回り

地下鉄飛車までもう一息

本筋に戻り、図は8八銀~7七桂としたところです。

以下5五歩同歩同銀5六歩4四銀。

大人しく指す

5筋も3筋と同じように、大人しく受けましょう。

9八香3七桂9九飛で、地下鉄飛車が完成です。

飛車が地下を移動

☖7三桂と跳ねているので、相手は端攻めを受けにくくなっています。

お疲れさまでした。

ちょっと長い手順でしたが、まとめると以下の5ステップ。

  1. 玉形を兜矢倉で整備
  2. 右辺を3七桂・2九飛型に整える
  3. 6七金左と上がり、5六歩で傷を消す
  4. 8八銀~7七桂で地下鉄拡張
  5. 9八香~9九飛で完成

手の流れを覚えていて下さいね。

その他の右玉対策3つ

右玉対策

角換わり右玉への有力な対策は、地下鉄飛車だけではありません。

  • 早繰り銀
  • 4五桂
  • 穴熊

相手の応手による変化が多い印象ですが、簡単にご紹介しますね。

早繰り銀

早繰り銀+筋違い角

引用元:「角換わり右玉」に対する有効な対策方法

早繰り銀は、右玉に強いと言われます。

特に図のように5六角と打てれば、左右の両にらみ。

気持ちよく攻められそうです。

ただ僕が読んだ複数の定跡書には載っておらず、情報が少ないかも。

図を引用した「日々頓死」さんのサイトでまとまっています。

4五桂

いきなり桂跳ね

引用元:角換わり右玉対策、いきなり▲4五桂①

右玉を組ませず早い段階で、右桂を跳ねて戦う方法もあります。

藤井聡太竜王(2021年時点)が、プロデビュー後に似た指して一時期流行したような。

強引じゃねーの?と思いつつ、正確に受けるのは大変な印象です。

攻めが途切れるのを恐れず、積極的に指すと楽しそう。

こちらも図の「将棋対策ノート」さんのサイトで見れます。

穴熊 

穴熊は堅くて遠い

プロでは、穴熊が有力とされています。

堅く囲うのは、プロ好み。

とはいえ級位者さんには、おススメしません。

穴熊は速度計算が難しく、多用して上達が遅くなる人もいます…

有段者になったら使うのもありと、頭のスミにおいていただければと。

角換わり右玉対策の注意点3つ+α

右玉の注意点

右玉は比較的マイナーで慣れにくいので、苦戦も多いでしょう。

以下の3点に気をつけると、簡単に負けなくなるはず。

  • 決めつけない
  • 飛車の転回
  • 入玉

決めつけない

早い段階で、相手が右玉と思いこまないように注意して下さい。

悪形で戦うことになる

例えば相手が右玉と思って 6七金左を早く指し、5四銀で腰掛け銀にされると苦労するはず。

色々な含みがある戦法は、こちらも柔軟に対応できる駒組みが必要です。

右玉のニオイがすると思いつつ、頭の中で腰掛け銀の可能性を消さないようにしましょう。

飛車の転回

右玉からの攻めとして、飛車を移動させる筋があります。

下段飛車なので、飛車を動かしやすい為ですね。

多くは2筋、場合によっては4筋から逆襲するパターン。

最初見た時は居飛車の形なので全く想定しておらず、心も盤上もボロボロにされました…

飛車が転回しても、突破させないか受け流せるように戦うのがコツです。

入玉

右玉は「広い」形なので、王様が逃走することがあります。

今までの対局で自陣に入玉され、捕まえきれなかった思い出がある人もいるでしょう。

「王手は追う手」を避け、「玉は包むように寄せよ」で入玉を防ぎましょう。

寄せが苦手な方は、下の記事もどうぞ。

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頻度の高い戦法が優先

右玉より先に、学ぶべき定跡はありませんか?

よく見る戦法の対策から取り組む方が、効率良く上達できますよ!

右玉などのマイナー戦法に負けると、僕もすごく嫌な気持ちになったものでした。

しかし冷静に考えると、角交換振り飛車などに負けてる回数の方が多いんですよね。

頻度が低い戦法の学習は、後回しにしましょう。

右玉を学べる本・サイト+α 

右玉を学べる定跡書・サイト

右玉を学びたくなった級位者さんには、以下の定跡書とサイトがおススメです。

定跡書:よくわかる角換わり

サイト:右玉NOW

変化が多い戦法が、比較的コンパクトにまとまっています。

今すぐ定跡を知りたい方は、無料アプリ「将棋の定跡 奇襲戦法」もあり。

体系的に学び辛いのが、難点です。

アプリで定跡を学ぶ注意点を知りたい方は、下の記事をどうぞ。

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よくわかる角換わり

西尾明七段の『よくわかる角換わり』(マイコミ)は、変化が多すぎず基本が網羅されています。

僕もこの本で角換わりを学びました。

このシリーズは1ページごとの解説が多すぎず、級位者さんに分かりやすいです。

右玉など特に、ページ数が少ない。

だからこそ、混乱せず最小限の知識を得られます。

なお2011年発行でちょっと古いので、腰掛け銀は新しい形がありません。

定跡書の効率的な学び方は、下の記事で解説しました。

初級者もできる!実戦に役立つ将棋定跡の選び方と覚え方

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右玉NOW

Webサイトは、右玉NOWさんがおススメです。

右玉に特化しており、角換わり以外も多く記事があります。

ページや図面ごとのボリュームが多すぎず、級位者さんに親切な印象です。

Kindle Unlimited

 

Kindle Unlimitedでは角換わりだけでなく、右玉を扱った本が数冊読み放題。

塚田泰明九段の『角換わり 初段の常識』は、比較的分かりやすいと思います。

  • 最速で敵陣突破!角換わり早繰り銀
  • なんでも右玉
  • 地下鉄飛車で右玉退治

上記が読み放題ですが変化が多い本も多いので、大筋だけ理解するか盤駒を用意するとよいかと。

月額980円なので将棋の本を毎月買うなら、確実に元を取れますよ!

無料期間で利用しながら、ゆっくり考えるのがおススメ。

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まとめ

右玉対策

  • 角換わり右玉は後手が使う、バランス型で変化の多い戦法
  • 角換わり基本図→含みのある手を経て飛車と玉を動かし完成
  • 5ステップで地下鉄飛車から対抗するのがおススメ
  • 早繰り銀・☗4五桂・穴熊も有力
  • 早く形を決めず、飛車先の逆襲と入玉に注意しよう
  • 『よくわかる角換わり』「右玉NOW」でもっと学べる

指し手の暗記ではなく、地下鉄飛車の流れを意識しましょう。

方針がはっきりしているだけで、勝率が上がりますよ!

行動するのが大切ですので、右玉をされたら実践して下さいね。

効率よく上達したい方は、以下の記事もどうぞ。

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  • この記事を書いた人

ゆーきゃん

将棋を愛しています。 【将棋歴】中学生、クラスで強いけど大会0勝→大学生、努力の仕方がわからず強くなれない→社会人、1級で長く足踏み→初段昇段後は1年で三段。 高校将棋部の外部コーチ、将棋教室運営、県内サークルや道場で多くの級位者さんに指導やアドバイスをしてきました。 沖縄のホテルで働きつつ、初心者・級位者さんの疑問やお悩みを解決、将棋を楽しめるような情報をブログとTwitterで日々発信しています。

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