アマチュア三段。横歩取りが超好きで多く指しました。
勇気流の対策や注意点を知らないままだと、横歩取りで負けまくるかもしれません…
ご安心ください。
戦法の大枠を知っていると、焦らず効率よく学べますよ!
僕は戦法の体系を学び1つ1つ抑えることで、知識の穴が減り勝率が上がりました。
まず勇気流の特徴3つと、出だしの基本手順を紹介。
次に後手の対策2つと、定跡外の形2つを解説。
勇気流を学ぶ際の注意点3つに青野流との比較、もっと知る為の棋書などにも触れました。
「すぐ手順について知りたい!」という方は、勇気流の序盤どうぞ!
なお4級以下の方に勇気流をおススメしない理由は、記事内で説明しています。
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目次
勇気流の特徴3つ
5八玉型の横歩取り青野流と、一路違う6八へ玉を上がるのが勇気流。
佐々木勇気八段(2024年現在)の研究でその名がつきました。
青野流と共に定跡への貢献が認められ、升田幸三賞を受賞しています。
玉を1マス違う場所に動かすだけで、違う戦法になるのが将棋の面白さですね。
特徴は以下の3つ。
- 先手の作戦
- 積極的
- マイナー
先手の作戦
勇気流は、先手で使えます。
横歩取りの手順は特徴があり、後手では同じように指せない為です。
矢倉や対振り飛車は、先手でも後手でもある程度同じ作戦を使えますよね。
一方で勇気流は、先手のみで指せます。
積極的
勇気流は、横歩取りの先手としては積極的に指せます。
なぜなら通常より、手損が少ないから。
横歩取りは先手が一歩得する代わりに手損しており、後手の作戦に合わせることが多いもの。
一方で飛車を3四から動かさない勇気流は、後手に合わせず先攻しやすいです。
マイナー
勇気流は、指す人が少ないです。
似た狙いの青野流が、優秀な為ですね。
プロでも佐々木八段以外で指す人は、あまりいないとか。
使い手が少ない戦法です。
青野流から学ぼう
級位者さんは、青野流から先に学ぶのがおススメ。
なぜならお手本が比較的多いからです。
定跡書やプロの棋譜を、青野流の方が探しやすいですよ。
横歩取りの先手ながら攻めやすいのは、どちらも同じ。
勇気流は青野流を既に学んだか、人と違うことをやりたい方向けです。
青野流の概要を知りたければ、下の記事をどうぞ。
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【横歩取り】青野流で勝つ!後手の有力な手3つへの対策を簡潔に解説
青野流の特徴は? 手順は? 後手の対策も知りたい! 勇気流と何が違うの? もっと学ぶには? ゆーきゃん青野流を学びたい、1〜3級ぐらいの方の疑問を解決できる記事を書きました。 アマチュア三段。横歩取り ...
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4級以下にはおススメしない
4級以下の方は、相居飛車の他の戦型から学んだ方が良いですよ。
なぜなら勇気流は実戦で使える頻度が低いからです。
- 対振り飛車だとできない
- 後手番だとできない
- 先手番でも横歩取りを避けられるとできない
- 相手が横歩取りを選んでも途中で変化される可能性あり
よくやられる戦型、相手に影響されず指しやすい形から学びましょう。
4級以下の方におススメな矢倉や角換わりは、以下の記事で解説しました。
勇気流の序盤
勇気流の出だしと成功例、覚えておきたい後手の指し手を紹介しますね。
横歩取りの基本形
図が横歩取りの基本。
後手が3三に角を上がるので、3三角戦法とも呼ばれますね。
ここまで来れば、勇気流を指せます。
☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖8四歩から始まり、大半は図まで進むでしょう。
ここまでの手順や☖3三角以外の手も知りたい方は、下の記事をどうぞ。
-
【級位者向け】横歩取りの概要を先手と後手に分けて整理、良書も紹介
横歩取りってどんな戦型? 先手でどう指せばいい? 後手は? 横歩取りのコツを知りたい! 分かりやすい定跡書を教えて! ゆーきゃん横歩取りを何から学べばよいか分からない、級位者さんの疑問を ...
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成功例:桂を跳ねる
勇気流の狙いを知る為に、成功例をご紹介しますね。
☖3三角に、☗6八玉とするのが勇気流です。
飛車を3四から動かさず、主導権を握るのがコンセプト。
☖2二銀☗3六歩☖5二玉☗3七桂と、足早に攻めの準備をします。
☖7二銀なら☗4五桂で、一丁上がり。
角を逃げると☗3八飛成があるので、後手は角を動かせません。
左右の桂馬を跳ねる形になれば、攻めが繋がりやすいです。
馬を作られてもOK
勇気流では、後手から馬を作られる順があり先手は防げません。
結論から言うと、先手が悪くはならないので安心して下さい!
勇気流を示す☗6八玉に、☖8八角成☗同銀☖2七角。
6八玉型なので金取りになっており、☗3八銀☖4五角成で馬を作られ気持ち悪いですが。
☗2四飛が切り返しです。
☗2一飛成の先手で、☗7七角・☗7五角の狙いがあるので問題ありません。
例えば☖2三歩なら☗2五飛で一度馬に当て、その後☗7七角という感じ。
勇気流対策1:横歩を取る
ここからは定跡を簡単に説明します。
もっと学びたくなったら、後でご紹介する定跡書で学んでくださいね!
後手の指し方の1つは、☗6八玉に☖7六飛と横歩を取る順。
積極的に得をしようとしており、級位者さんが多く選びそうな気がします。
その後の流れでおススメは以下。
- 陣形整備
- ☗8二歩から手を作る
- 馬を軸に左右を狙う
1.陣形整備
まずは☗3六歩☖8六飛☗3七桂で攻めの形を作りましょう。
☖8六飛と戻った形は、後に☖7六桂のような筋が生まれているので注意して下さい。
続いて後手は☖2二歩。
2020年頃に見つかったこの手が好手で、先手の角や飛車のラインを防いでいます。
☗9六歩☖6二銀☗3八銀(右図)☖4一玉と、自陣を整えましょう。
2.☗8二歩から手を作る
動くのは8筋からで、☗8二歩☖同飛☗8三歩☖同飛☗8四歩(右図)☖8二飛。
先手を取りつつ飛車先を抑え、準備ができました。
☗3三角成☖同桂☗8三角と打ち込みます。
3.馬を軸に左右を狙う
金取りを防ぐ☖7一金に、☗6五角成がまた先手。
☖7二金に☗6六馬が好位置です。
以下は☗3三角成や、☗3五飛~☗8五飛~☗5六馬を狙いましょう。
主流は☗8四飛
ただし上記の順でそのまま進むと、プロの感覚では先手の攻めが重いそうです。
そこでプロだと、☖7六飛に☗3六歩ではなく☗8四飛が主流。
以下☖8二歩☗3三角成☖同金。
3三金が悪形と見て、じっくり指して下図が定跡となっています。
すぐ攻められないなら、級位者さんは青野流の方が良いのかなと思います。
勇気流は定跡化が進んでおらず、力戦模様になりそうなのが理由です。
なお☗8四飛に☖8八角成☗同銀☖9五角は王手飛車でハッとしますが。
☗7七歩が飛車取りで、先手も戦えます。
勇気流対策2:玉形整備
後手は7六歩を取らず、☗6八玉に☖4一玉と玉形を整える手もあります。
この手が強敵で変化が多く、記事の説明は最低限です。
勇気流をメインに指したい方は、後でご紹介する『横歩取り 後手番の逆襲』も読んで下さい!
流れは以下。
- 陣形整備
- 飛車を移動、8筋を受ける
- 3筋の歩を伸ばす
- 攻めを受け流し、反撃
1.陣形整備
先手は先ほどの変化と同じように、☗3六歩☖4二銀☗3七桂☖2二歩☗3八銀(右図)☖6二銀。
☗4五桂と跳ねられるようにしてから、金銀を連結させるのが勇気流の基本です。
2.飛車を移動、8筋を受ける
とはいえ4一玉型では桂が跳ねにくいので、☗3五飛と引きます。
更に☖8二飛に☗2五飛で、飛車を2筋へ。
☖8六歩の垂らしに☗8五歩と受け、後手は陣形整備の☖5一金。
飛車角交換は、多分指しにくい
☖8二飛に☗8七歩と受ける変化もあります。
以下☖8八角成☗同銀☖2八角。
更に☗3八飛成☖同玉☗2九金と進めます。
☖3七角成☗同銀で飛車角交換となり、定跡では互角。
しかしその後の先手の指し方が難しく、級位者さんは選ばない方が良いと感じました。
3.3筋の歩を伸ばす
戻って☗8五歩で飛車先を受けた後、☖5一金に☗3五歩がポイントです。
飛車の横利きが止まった為、☖8八角成☗同銀☖8五飛とされてしまいますが計算のうち。
☗7七桂☖8二飛☗3四歩で、歩を伸ばせたのが大きいと見ています。
4.攻めを受け流し、反撃
後手の攻めに対する応手と形勢判断を、しっかり覚えていてください。
☖8七角が怖い手ですが、☗6六角でOK。
以下☖7八角成☗同玉☖8七金☗6八玉☖8八金が自然です。
守備が崩壊したようですが、後手の攻めが重いと考えましょう。
その後は☗8三歩☖同飛☗5六角。
後手の攻めを遅らせて、☗2二角成☖同金☗同飛成の狙いでいい勝負です。
定跡以外の勇気流の形2つ
整備されている定跡は以上ですが、他に2つの形をご紹介しますね。
- 後手から☖2三銀
- 6八玉型にこだわる
必ず覚える必要はないですが、引き出しになり何かのヒントになるかも。
後手から☖2三銀
定跡順ではないですが、後手で☖2二銀~☖2三銀とする人もいそうです。
具体的には、☗6八玉☖2二銀☗3六歩☖2三銀。
2三銀の形は部分的にはよく見るので、思いつく相手はいるかと。
この手には☗3三飛成☖同桂☗7七角打があります。
次に☗3三角成となると駒得が拡大し、優勢です。
☗7七角打に☖8八飛成が最善ですが、☗同銀。
以下は☗2一飛・☗2四歩・☗8四歩などの狙いがあります。
6八玉型にこだわる
後手が横歩を取る変化は、プロでは図の☗8四飛の変化が主流とお伝えしました。
☖8二歩☗3三角成☖同金の後は、王手飛車を避けて☗5八玉と戻るのが定跡。
しかしアマチュアの研究で、6八玉型のまま戦う方法があるっぽいです。
玉を動かす手を省略できるものなら、したいですよね。
アマ六段の二歩千金さんの有料Note(¥100)で解説されているようです。
人と違った道を好む人には楽しいかも。
勇気流の注意点2つ
勇気流を指すなら、以下2点を押さえておいてください。
- 超急戦対策
- 後手番の作戦を決める
やるべきことが明確だと、上達が早いですよ!
超急戦対策
後手の横歩取り超急戦は、一通り学んでおきましょう。
なぜなら相手の選択となり、あなたの意志で避けることはできないからです。
横歩を取った手に、☖8八角成とされると、超急戦。
比較的多いのは、4五角と相横歩取りという印象です。
高橋道雄九段の『超急戦横歩取り』(将棋最強ブックス)で僕は学びましたが、簡単にまとまっておりおススメです。
4五角が苦手な方は、下の記事をどうぞ。
-
もう苦しまない!横歩取り4五角の手順整理&避ける方法まで解説
4五角になぜ勝てない… どうすれば苦しみがなくなる? 4五角の狙いは? 対策は? 知っておくべき変化は? 4五角を避ける方法を教えて! もっと学ぶには? ゆーきゃん4五角に苦しむ級位者さんのお悩みを解 ...
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後手番の作戦を決める
後手になったら、何を指しますか?
勇気流は先手の作戦なので、別に準備が必要です。
- 8四飛
- 8五飛
- 超急戦
- 横歩取りを避ける
選択肢はこのあたりかと。
毎回なんとなく指すのではなく、決めておいて集中的に使うと上達が早いですよ。
プロでは8四飛が多く、8五飛はより積極的。超急戦は県代表クラスになると通じない変化球という感じです。
青野流との違い2つ
最初にお伝えしたように、勇気流と一路違いは青野流と呼ばれます。
違いは以下の2点。
- 王手飛車の筋なし
- 横歩を取られると後手を引く
特性を知っていると、どちらを使ってもミスをしにくいでしょう。
王手飛車の筋なし
青野流は、☖9五角が王手飛車になりません。
5八玉型だと、角のラインを気にする必要がありませんよね。
安心して☗8四飛と回れますし、後から玉を動かすのも絶対ではありません。
常に注意しなくて良いのは、かなり楽になると思います。
横歩を取られると後手を引く
ただし良いことだけではありません。
後手に☖7六飛と横歩を取られると、対応が必要です。
次に☖8八角成を許しては、敗勢ですからね。
指し手が限定か自由かの違いは大きく、勇気流だと☗3六歩など1手多く攻めの準備ができます。
勇気流を学べる棋書3選+α
勇気流をもっと学びたい方は、以下の定跡書があります。
- 横歩取り勇気流
- 横歩取り 後手番の逆襲
- 横歩取りの最重要テーマ
定跡書の効率的な使い方は、下の記事で解説しました。
-
初級者もできる!実戦に役立つ将棋定跡の選び方と覚え方
ゆーきゃんアマチュア三段。40冊以上の定跡書を読み試行錯誤する中で、実戦に活かせる覚え方が分かりました。 初級者さん 定跡を覚えられない。 定跡はどう学び始めればいいの? 定跡書はどう読めばいいの? ...
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横歩取り勇気流
本家の佐々木勇気八段が、『横歩取り勇気流』(浅川書房)を書いています。
内容は、かなり難しい(私アマ五段)。
引用元:アマゾンレビュー
難しいという評価が多く、有段者向けかと。
盤駒を使ったり、繰り返し読むと良いと思います。
佐々木七段の熱意が詰まっており、藤井聡太四段(当時)の連勝を29で止めた有名な対局の自戦記もあるとのこと。
横歩取り 後手番の逆襲
上村亘五段の『横歩取り 後手番の逆襲』(マイナビ)は、タイトル通り後手の目線で書かれています。
とはいえ勇気流は先手の作戦なので、違和感はないはず。
僕も読みましたが、読み辛さはなかったですね。
後手に肩入れしているのが、ちょっと嫌かも 笑
横歩取りの最重要テーマ
八代弥七段の『横歩取りの最重要テーマ』(マイナビ)でも、勇気流が扱われているようです。
勇気流の方ですが(青野流の)半分の20ページくらいですね。
引用元:アマゾンレビュー
他の形も学べます。
複数のレビューから、難しそうな印象です。
Kindle Unlimited
Kindle Unlimitedなら、横歩取りの棋書が数冊読み放題。
『後手番の逆襲』は含まれていますよ!
横歩取り全体を学びたい方は、所司和晴七段の『横歩取り定跡ガイド』などおススメ。
月額980円なので将棋の本を毎月買うなら、確実に元を取れますよ!
無料期間で利用しながら、ゆっくり考えるのがおススメ。
激指
「横歩取りだけでなく、自分が指す戦型の定跡は全体的にしっかり学びたい。 」
そんなあなたには、有料PCソフト「激指 定跡道場5」がおススメです。
数十冊分の定跡が解説されている上に、プロレベルのAIと対局できますよ!
横歩取りの全17勝のうち、1章を使って勇気流もしっかり解説されています。
気になった定跡をすぐ調べられるので、序盤で崩されてボロ負けするのが減りますよ!
次から次へと、定跡書を買わなくてよくなります。
僕は監修の所司和晴七段の著書を読みましたが、わかりやすく実戦に活かせる実感がありました。
またプロレベルのAIとの対局・解析を通して、指し手がよくなり勝率が上がりますよ。
導入した級位者さんが、周りの人より早く上達するのをしばしば見ます。
定跡を学び本気で強くなりたい方には、イチオシです。
その他の学び方2選
しっかり学ぶなら定跡書ですが、サクッと知りたいなら以下の方法もよいでしょう。
- You Tube
- Webページ
You Tube
You Tubeでは将棋チャンネルが多く、勇気流の動画も複数見つかりました。
- 【ウォーズ七段の実況研究】shodan7
- 将棋情報局
- 元奨励会員アユムの将棋実況
例えば上記。
You Tubeは本より負担が少なく、解説者の感情なども伝わるのが良い点ですね。
動画で「勉強した気」にならないよう注意しつつ、見るとよいかと。
Webページ
僕の記事以外でも、複数のページで勇気流を扱っています。
ちょっと面白かったのが、棋書ミシュランさんの『横歩取り勇気流』紹介ページ。
レビューをしつつ、変化が表になっています。
簡単に概要を掴むには、良いかもしれませんね。
まとめ
- 勇気流は先手で積極的に指せるが、マイナー
- 3四飛型で☗4五桂を跳ねれば成功で、馬を作られる変化もある
- 後手が横歩を取る変化は、馬を中央に配置しよう
- すぐ☖4一玉の変化では、攻めを受け流して反撃
- 後手から☖2三銀や、6八玉にこだわるアマ研究もあり
- 超急戦対策と、後手番の作戦も考えよう
- 青野流は王手飛車の筋がないが、☖7六飛に対応が必要
- 『勇気流』『後手番の逆襲』『最重要テーマ』で学べる
- You TubeやWebでサクッと概要を知るのもあり
後手の対策を踏まえ、手順を整理しましょう。
相手の指し手にあわてず、勇気流を楽しめますよ!
行動するのが大切ですので、今日から青野流を指して下さいね。
「自分が指す戦型はしっかり学び、本気で強くなりたい!」
というあなたは、激指定跡道場5を使って効率的に上達する方法もチェックしましょう。
応援しています。頑張ってください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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